にむかはしめよ、さらば我等の止まる間に汝善き果《み》を摘むをうべし。 八八―九〇
かくて又曰ふ。子よ、造主《つくりぬし》にも被造物《つくられしもの》にも未だ愛なきことなかりき、これに自然の愛あり、魂より出づる愛あり、汝これを知る 九一―九三
自然の愛は常に誤らず、されど他はよからぬ目的《めあて》または強さの過ぐるか足らざるによりて誤ることあり 九四―九六
愛第一の幸《さいはひ》をめざすか、ほどよく第二の幸をめざす間は、不義の快樂《けらく》の原因《もと》たるあたはず 九七―九九
されど逸《そ》れて惡に向ふか、または幸を追ふといへどもその熱|適《よろしき》を失ひて或ひは過ぎ或ひは足らざる時は即ち被造物《つくられしもの》己を造れる者に逆《さから》ふ 一〇〇―一〇二
是故に汝さとるをうべし、愛は必ず汝等の中にて凡ての徳の種となり、また罰をうくるに當るすべての行爲《おこなひ》の種となるを 一〇三―一〇五
さてまた愛はその主體の福祉より目をめぐらすをえざるがゆゑにいかなる物にも自ら憎むの恐れあるなく 一〇六―一〇八
いかなる物も第一者とわかれて自ら立つの理なきがゆゑにその情はみなこれを憎むことより
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