fス、カエサルを從へり云々と歌ひカエサルとビテュニア(小アジアの)王ニコメデスと不自然の關係あるを嘲りたりとの傳説によれるなり
七九―八一
【恥をもて】かく己が罪をいひあらはし自ら責めて焔と共に罪を淨む
八二―八四
【異性】原文、二形《ふたなり》。男色に對して異性間の淫行をいふ
八五―八七
【板】即ち模擬《まがひ》の牝牛(地、一二・一〇―一五)
【女】パシファエ
九一―九三
【グイード・グイニツェルリ】有名なるイタリア詩人にてダンテ以前第一と解せらる、ボローニアの人(十三世紀、但し生死の年並びに事蹟不詳、岩波文庫版『新生』一五七・一五八頁參照)
九四―九九
【リクルゴの憂ひ】ネメア王リュクルゴスの婢ヒュプシピュレ(イシフィレ)テバイ攻圍の諸王にランジアの泉のある處を教へんとて(淨、二二・一一二參照)行きたる間に草の上に殘されしリュクルゴスの幼兒蛇に噛まれて死せしかば王憂へ且つ怒りて將さにその婢を殺さんとす、ヒュプシピュレの二子トアス、エウネオスその己が母なるを知り走りゆきてこれを救ふ、ダンテは再び母にあへる子の喜びを再びかの詩人にあへる己が喜びにたとへしなり
ヒュプシピュレの物語はスタティウスの『テバイス』第五卷にいづといふ
【されど】ヒュプシピュレの子等は走り進みてその母を抱けるも我は敢てグイードを抱かず
一〇六―一〇八
【聞ける事】神恩によりて生きながら冥界を過行くこと(五五―六〇行)
【レーテ】忘却の川(淨、二八・二五以下參照)
一一二―一一四
【近世の習ひ】俗語を用ゐて詩を作ること(『新生』二五・二二以下參照)
一一五―一一七
【一の靈】アルナルド・ダニエルロ。プロヴァンスのトルヴァドル派の詩人、十二世紀の後半の人、その名聲詩の實質よりもダンテの讚辭に負ふところ多しといふ
一一八―一二〇
【レモゼスの人】グイロー・ドゥ・ボルネイユ。リモージ(フランス)の詩人(一二二〇年頃死)
一二四―一二六
【グイットネ】グイットネ・デル・ヴィーヴァ(淨、二四・五五―七註參照)
【多くの人】世評に盲從してグイットネを激稱することの誤りなるを見し人々
一二七―一二九
【僧院】天堂。キリストこゝに諸聖徒の長たり
一三〇―一三二
【パーテルノストロ】Paternostro(我等の父)キリストの教へたまへるキリスト教徒の祈り(マタイ、六・九以下及びルカ、一一・二以下)
【但し】主の祈りの中、我等を誘惑に遇はせず惡より拯ひ出し給へといふ最後の祈りは淨火門内の魂に必要なきなり(淨、一一・二二―四參照)
一三六―一三八
【指示されし】一一五―七行
【わが願ひ】わが心よろこびて彼の名を迎ふと告ぐれば、わが彼の名を聞くの願ひの切なるを告ぐれば
一三九―一四七
原文にてはアルナルドの答へみなその國語なるプロヴァンスの語にてしるさる
【この階の頂】即ち淨火の山巓
【權能】神の
【憶へ】憶ひ出でてわがために祈れ
第二十七曲
詩人等猛火の中を過ぎて階を登るに闇既に地上をつゝみて登り終ること能はず、みな階上に臥して天明を待つ、ダンテは夢にレアを見、夜のあくるに及びて二詩人と倶に地上の樂園に到りこゝにウェルギリウスの最後の言を聞く
一―六
日沒近き時(四月十二日)を敍せり、淨火の日沒はイエルサレムの日出、インドの正午イスパニアの夜半にあたる
【ところ】聖都イエルサレム。太陽その他萬物の造主なる(ヨハネ、一・三參照)キリストが十字架にかゝり給ひしところ
【イベロ】イスパニアの川の名
【天秤】日白羊宮にあるがゆゑに夜(即ち夜半)は天秤宮にあり
【ガンジェ】ガンヂス、インドの川の名(淨、二・四―六註參照)
七―九
【心の清き者】マタイ、五・八
一〇―一五
【かなた】火のかなたにうたふ他の天使の歌(五五―六〇行參照)
【穴に埋らるゝ人】生埋にせらるゝ罪人(地、一九・四九―五一參照)
一六―一八
【人の體】火刑に行はるゝ罪人の體なるべし
二二―二四
【ジェーリオン】ジェーリオンの背に跨りて第七獄より第八獄にくだれる時(地、一七・七九以下參照)
三一―三三
【良心】師の言に從へと命ずる
三四―三六
【壁】二人の間を隔つるもの即ち火
三七―三九
ピュラモス(ピラーモ)とティスベはバビロニアの若き男女なり、互ひに深く愛せしかどその親結婚を許さざりしかば、ひそかに相謀り、家をいでて一大桑樹の下に會はんと約し、夜に入りて後ティスベまづかしこに到る、會※[#二の字点、1−2−22]獲物を喰へる一匹の獅子の水を飮まんとて來れるあり、ティスベ月光によりてはるかにこれを見、走りて一洞窟の中に避け獅子はティスベの地に落せし面※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]をかみて去れり、後れて來れるピュラモス猛獸の足跡と血の附着せる面※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]を見てティスべ
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