三一・一一八以下)
四〇―四二
【背】ウェルギリウスの
四九―五一
【はじめかくれ】未だ眞の闇にあらねば、さきにはあはひ遠くして見えざりし互ひの姿も今は近くして見ゆるなり
五二―五四
【ニーン】ニーノ・ヴィスコンティ。ピサ市グエルフ黨の首領なるジヨヴァンニ・ヴィスコンティとウゴリーノ伯の女との間の子(地、三三・一三―五註參照)、一二七五年サールディニア島の一州ガルルーラの知事となり(地、二二・七九―八四註參照)後また祖父ウゴリーノと共にピサの市政に與かれるも幾何もなくこれと相爭ひ、一二八八年ピサを去り一二九六年サールディニアに死す
五五―五七
【水を渡りて】テーヴェレの河口より天使の船に乘りて。ニーノはダンテの境遇を知らざれば斯くいへり
五八―六〇
【今朝】四月十日の朝(淨、一・一九―二一註參照)
【第二の生】原文、他の生。永遠の生命
六一―六三
【しざりぬ】驚き惑ひて。ダンテにあふ者或ひはその呼吸により(淨、二・六七以下等)或ひはその影により(淨、三・九一以下等)てその生者なるを知れり、されどソルデルロはウェルギリウスの事に心奪はれて深くダンテに注意するの暇なく、且つこの頃日既に山の後にかくれゐたれば(淨、六・五六―七)影をみるをえざりしなり
六四―六六
【その一】ソルデルロ
【また一】ニーノ
【クルラード】クルラード・マラスピーナ(一〇九―一一行註參照)
【事】人に生きながら冥界をめぐるをえさせたまひしこと
六七―六九
水の深きがごとく奧深くして人智もこれを知る能はざるまでにみ業《わざ》の源をかくしたまふ神より汝のうくる特殊の惠みを指して
七〇―七二
【ジヨヴァンナ】ニーノの女、一三〇〇年には九歳ばかりなりきといふ
【罪なき者の】わがために祈りを天にさゝげしめよ
七三―七五
【母】ベアトリーチェ・オピッツオ・ダ・エスティ(地、一二・一一一)の女、一二九六年夫ニーノ死して後己が郷里フェルラーラに歸り、一三〇〇年ミラーノの君なるマッテオ・ヴィスコンティの子ガレアッツオに嫁す
【白き首※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]】中古、寡婦の服裝は黒衣に白の首※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]なりき、ベアトリーチェがこれを棄てて再嫁しミラーノに赴きしは一三〇〇年の半の頃なりしかど『神曲』示現の當時婚約既に成立ちゐたりしなるべしといふ
【あはれ】再嫁を悔いて寡婦の昔を慕ふなり。註釋者曰、一三〇二年ガレアッツオ、ミラーノを逐はれしよりこの方その一家久しく悲境に沈淪せりと
七九―八一
再嫁の記念を世に殘すは貞操の記念を世に殘すごとく名譽の事にあらざるべし
蝮蛇はミラーノのヴィスコンティ家の紋所、鷄はピサのヴィスコンティ家の紋所なり、家紋を墓所にあらはすこと日本に於てもその例多し
【ガルルーラ】地、二二・七九―八四註參照
八五―八七
【處】こゝにては南極の天を指す、極の星は赤道に近き處よりもその運行おそければなり
八八―九〇
【三の燈火】註釋者曰。この三の星は信仰、希望、愛を表はす、思慮、公義、剛氣、節制の諸徳は活動の徳にして晝に適し、神學上の三徳は默想の徳にして夜に適すと
九一―九三
【今朝】淨、一・二二以下參照
九四―九六
【我等の敵】默示録、一二・九參照
九七―九九
【エーヴァ】蛇、アダムの妻エヴァを誘ひて禁斷の木の實を食はしむ(創世記、三・一以下)、始祖の罪業は全人類の禍ひの本なりければ苦き[#「苦き」に白丸傍点]といふ
一〇三―一〇五
【天の鷹】天使。ダンテ蛇にのみ心ひかれて天使の飛びはじめし有樣を見ざりしなり
一〇九―一一一
【魂】クルラード(コルラード)・マラスピーナ(幼)。ヴィルラフランカの侯爵フェデリーゴの子、一二九四年頃死す
一一二―一一七
【汝を】汝を導いて天にむかはしむる神恩の光汝がこの山の巓に達するまで、汝の意志のはたらきと相結びて、消ゆることなからんことを
【※[#「さんずい+幼」、242−6]藥の巓】美しくして變らざる地上の樂園
【ヴァル・ディ・マーグラ】ルーニジアーナの一部(地、二四・一四五―七註參照)。ヴィルラフランカの城その中央にあり
一一八―一二〇
【老】クルラード・マラスピーナ(老)。侯爵フェデリーゴの父(即ち前出クルラード・マラスピーナの祖父)、一二五〇年頃死す
【愛】己が宗族の榮達をのみ希へるわが地上の愛
一二七―一二九
【財布と劒】人に施して惜しまず且つ勇武なりとの家の譽を傷けず
一三〇―一三二
【習慣と自然】家風と天性
【罪ある首】法王(ボニファキウス八世か)。政務に關渉して
一三三―一三五
【牡羊四の】今より後七年の月日過ぎぬまに
牡羊の蔽ふ臥床は白羊宮なり、この時太陽白羊宮にありしがゆゑにかくいへり
一三六―一三八
【意見】汝のわが一家に對していだく
【人の言より】汝は世の風評以上に
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