たりしもその距離《へだゝり》大ならねば、我はまたこの處の一部にたふとき民の據れるを認めき 七〇―七二
汝學藝のほまれよ、かくあがめをうけてそのさま衆と異なるは誰ぞや 七三―七五
彼我に、汝の世に響くかれらの美名《よきな》はその惠みを天にうけ、かれらかく擢んでらる 七六―七八
この時聲ありて、いとたふとき詩人を敬へ、出でゝいにしその魂はかへれりといふ 七九―八一
聲止みしづまれるとき我見しに四《よつ》の大いなる魂ありて我等のかたに來れり、その姿には悲しみもまた喜びもみえざりき 八二―八四
善き師曰ひけるは、手に劒《つるぎ》を執りて三者《みたり》にさきだち、あたかも王者《わうじや》のごとき者をみよ 八五―八七
これならびなき詩人オーメロなり、その次に來るは諷刺家オラーチオ、オヴィディオ第三、最後はルカーノなり 八八―九〇
かの一の聲の稱《とな》へし名はかれらみな我と等しくえたるものなればかれら我をあがむ、またしかするは善し 九一―九三
我はかく衆を超えて鷲の如く天翔《あまがけ》る歌聖の、うるはしき一族のあつまれるを見たり 九四―九六
しばらくともにかたりて後、かれらは我にむかひて會釋す、わ
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