五四
【昨日の朝】四月八日の朝(地、一・三七)、今は翌土曜日の未明なり
【この者】罪人にむかひてウェルギリウスの名をいはず
【わが家】世界、三界を歴程して再び世に歸る路にあればウェルギリウスはたゞ地獄、淨火の導者なれどもかくいへるなるべし
或曰、地上乃ち南半球(地、三四・一三九)と、又或曰、天と
五五―五七
【星に從】天賦の才のあるところに從つて進まば(古來天文によりて人の運命を測知しうべしとの信仰ありしに基づけり)
五八―六〇
【早からざりせば】ダンテと聯關して己が死の早きをいへりブルネット自身は齡八十に及ぶまで世にながらへるなり
六一―六三
【フィエソレ】フィレンツェを距る約三哩なる一丘上の町、この町ローマ人のために攻め落されし時その民アルノ河畔にのがれ、ローマの移住者とこ、に合してフィレンツェ市な成すにいたれりといふ傳説によれり
【山と岩とを含める】粗野にして拗執なる
六四―六六
【ソルボ】果樹、その實酸く醂して始めて食用とす
六七―六九
【古き名】史家ヴィルラーニの説によればフィレンツェ人の瞽と呼ばるゝにいたりしはトチラ侵略(地、一三・一四五―七註參照)の際その甘言に欺かれ門なひらきてこれを迎へ入れたるによれりといふ
【貪嫉傲】地、六・七四參照
七〇―七二
【彼黨此黨】黒白の兩黨
【飢ゑて汝を求めむ】汝を害せんとはかるべし
七三―七五
フィエソレの血をわかつフィレンツェ人たゞ相互に搏噬しその腐敗の中より一人たりとも眞のローマ人のあらはるるあらば彼等手をこれに觸るべからず
七六―七八
フィエソレ人下り來りて邪惡の巣なるフィレンツェの町建てられし時
【聖き】ローマは聖地、ローマ人は選民なり
七九―八〇
【汝は未だ】汝は未だ死せざりしものを
八二―八七
【教へたまひし】ダンテはしば/\この老碩儒の教をうけたれども所謂師として之に事へたりしや否やは明かならず(スカルタッツィニ註參照)
八八―九三
【録し】記憶に
【他の文字】チヤッコ及びファーリナータの豫言(地、六・六四以下及び地、一〇・七九以下)
【淑女】ベアトリーチェ(地、一〇・一三〇―三二參照)
九四―九六
【契約】未來の契約即ち不吉なる豫言
或曰、人と命運との間の契約即ち人の命運に逆ふべからざることをいふと
【農夫は鋤を】人事を盡して天命を待つの外なきをいへり
九七―九九
【善く聽く】聖賢の教をきゝ之をさとり
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