八―一五〇
【アッティラ】有名なる匈奴(フンヌ)人の王(地、一二・一三四)、されどフィレンツェに侵入せるはトチラにしてアッティラにあらず、ダンテは傳説によりてこの名をあげしなるべし
【灰の上】トチラ(或ひはアッティラ)、フィレンツェを燒けりといふ傳説によれり
一五一
我はわが家の内にて首を縊れるなり


    第十四曲

第七の地獄第三の圓は神及び神の物にむかひて暴を行へる者の罰せらるゝ處にてこゝに三種の罪人ありこの曲にてはまづその一種乃ち神を侮るものゝ刑罰をあぐ、詩人等そのひとりなるカパネウス(カパーネオ)を見その暴言をきゝて後フレジェトンタの川にいたりこゝに導者地獄内なる諸川の由來をダンテにかたる
一―三
【郷土の愛】自殺者と同郷の好みあれば
一〇―一二
【憂の林】自殺者の森
【悲の濠】血の河
一三―一五
【カートンの足踏めるもの】アフリカなるリビヤの砂漠
紀元前四七年ウティカのカトー(カートン)(前九五―四六年)ポンペイウス敗餘の軍を率ゐてヌミディア王ジウバと合せんためリビヤの砂漠を過ぐ
二二―二四
【臥せる】神を侮れる者
【坐せる】自然と神の賜をしひたげしもの(高利貸)
【歩める】自然に背けるもの(男色)
仰臥するは侮蔑の目を天にむかはしむるなり、坐するは額に汗せずして貸殖に腐心するなり、歩むは情慾の誘ふままに正道を離るゝなり、三種の罪人いづれも生前の状態に從つてその罰を異にす
二五―二七
男色を行ふものその數最も多く高利貸これに次ぎ神を侮る者最も少なし、しかもその最も少なき者罪却つて重ければ歎聲を發することまた却つて他よりも多し
三一―三三
【アレッサンドロ】アレクサンドロス大王よりアリストテレスに送れりと傳へらるゝ書簡の中インド行軍の記あるによれり
この書の中には大王、大雪にあひ士卒にこれを踏ましめ次に雨下する火焔にあひ部下に衣をもて拂はしめしことしるさるゝも火焔を踏ましめしことみえねばダンテは中古の大哲アルベルトス・マグヌスの著書によりてかく火と雪とを混ずるにいたれるなるべしといふ、委しくはトインビーの『ダンテ字典』(A Dictionary of Proper Names and Notable Matters Works of Dante−P. Toynbee)にいづ
四〇―四二
【亂舞《トレスカ》】手足を急速に動かして舞ふ舞踏の一種
四六―四八
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