ンテ時代の名高き盜賊
【リニエール・パッツォ】同上
第十三曲
第七の地獄第二の圓は己が身己が産に暴を加へし者の罰せらるゝ處なり、詩人等こゝに自殺者ピエール・デルラ・ヴィーニアと語りまた産を荒せし者の犬に噛み裂かるゝを見る
七―九
チェチーナとコルネートの間の不毛の地をえらびて棲む猛き獸、チェチーナはイタリアの西海岸地中海に注ぐ小河コルネートは同じ海岸の町、この川と町との間は略※[#二の字点、1−2−22]マレムマと稱せらるゝ一帶不毛の地にあたり山林沼地多くして耕地甚だ少なし
一〇―一二
【アルピーエ】ハルプュイアイ、神話にいづる怪物、頭處女の如く體羽翼爪は鳥に似たり常に群集し汚穢極りなしといふ
【悲報】アエネアスその士卒と共にストロファデス(ストロファーデ、イオニア海中の二小島)に上陸せし時、ハルプュイアスのために惱まされ劒を拔いてこれを追へるに其一ケライノなる者トロイア人にむかひ汝等後日饑に迫りて食卓をも喰ひ盡すに至るべしといへること『アエネイス』三・二〇九以下に見ゆ
一六―二〇
【恐ろしき砂】第三の圓なる砂
【信を奪ふ】わが言をきくのみにては眞と信ずまじき
異本、わが言に信を與ふべき
二五―二七
【我等のために】我等をおそれて、我等に見れらざらんため
三七―三九
【木】自殺者の理性と官能の作用とを失へるをあらはせり
四三―四五
【尖】折取りし小枝の先
四六―四八
【我詩の中にのみ見しこと】アエネアス、トラキヤに上陸しその母アプロディテ及び其他の神々を祭らんとし祭壇を蔽はんためそのあたりの丘にゆきて樹木を曳けるに黒き血滴りて地を染む、かくすること三度に及べば悲しき聲丘下より出で、アエネアスよ何とて幸なき者を裂くや云々とつぶやき且つその生前はアエネアスの身寄なるポリドロス(地、三〇・一八)といへる者なりしことを告ぐ(『アエネイス』三・一九以下)
五八―六〇
【我】ピエール・デルラ・ヴィーニア、十二世紀の末ナーポリ附近の下賤の家に生れしものなりしが皇帝フリートリヒ(フェデリーコ)二世に事ふるに及びてその信任を得大いに用ゐらる、一二四八年反逆の罪をうけて獄に投ぜられ翌九年獄中に自殺す、彼また詩文を善くしその著作今に傳るといふ
【或は閉ぢ或は開き】わが好むところには帝の心を開き好まざるところには之を閉ぢ
六一―六三
【睡りをも脈をも】夜は眠りをなさず晝はいた
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