色なり
九一― 三
ヘブライの古諺に曰、祈りの門は閉さるとも涙の門は閉されず
九七― 九
【邑】ラヴェンナ、アドリアティコ海濱にあり、ダンテ時代にはこの町今よりもなほ海に近かりきといふ
【ポー】イタリア最大の川、ラヴェンナの北にあたりてアドリアティコ海に入る
【從者ら】多くの支流
一〇〇―一〇八 
三聯みな Amor(戀)なる一語にはじまる
【そのさま】ジャンチオットの刃にかゝりてこの身の魂より奪はれしさま
ムーア博士の引用せるフォスコロの説にてはこのさきに三の條項あり、乃ち、(一)死を招くにいたれる事情(二)死の急にして悔ゆるに暇なかりし事(三)殺害てふ蠻的行爲
【今猶】この戀今猶わが心を離れじ
【カイーナ】アダムの子にして弟アベルを殺せるもの(創世記四・八)、第九の地獄第一の圓はカインに因みてカイーナの名を得たる處なればこの獄に下り來るをカイーナ待つといへり、ジャンチオットの死せるは一三〇四年にて『神曲』の時なる一三〇〇年には猶存命せるなり
一二一―一二三
【汝の師】ウェルギリウス、古註曰、ウェルギリウスは願ひありてしかも望みなきリムボに止まり生時の光榮を囘顧し自己の經驗によりてかゝる苦患を味ひしると
一二七―一二九
【ランチャロット】ランスロット、『アーサー物語』(六七―九行註參照)にみゆる圓卓武士の一人にてアーサーの妻ギニヴァーを慕へるもの
【おそるゝこと】戀をそれと知らぎりしさきなれば本讀の危險なるべきを思はざりしなり
一三三―一三五
【微笑】ゑみを湛へし王妃の口
一三六―一三八
【ガレオット】王妃ギニヴァーとランスロットの不義の取持をなせるもの、昔のガレオットの如くこの物語と作者とは我等を罪に陷らしめきとの意
一三九―一四一
【一の魂】フランチェスカ


    第六曲

第三の地獄は飮食の慾に耽りし者の罰せらるゝ處なり、鬼チェルベロ雨雪と共に彼等を苛責す、こゝにフィレンツェのチヤッコなる者ありダンテを認めて之を呼び、近くその郷土に起るべき黒白兩黨の爭ひをかたる
一―三
ダンテが失神せる間に第二の地獄より第三の地獄におくられしことさきにアケロンテの川を越えし場合と同じ
【所縁】パオロはフランチェスカの義弟にあたる
七―九
【法と質】雨の落ちる度及び雨の成立に變化なく、詛ひの雨間斷なく降りくだるをいふ
一三―一五
【チェルベロ】ケルベロス、神話に出づ、地獄
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