瓶詰地獄
夢野久作
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)奉慶賀《けいがたてまつり》候《そうろう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)赤|封蝋《ふうろう》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「竹かんむり/孤」、第4水準2−83−54]
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拝呈 時下益々御清栄、奉慶賀《けいがたてまつり》候《そうろう》。陳者《のぶれば》、予《かね》てより御通達の、潮流研究用と覚《おぼ》しき、赤|封蝋《ふうろう》附きの麦酒《ビール》瓶、拾得次第|届告《とどけつげ》仕る様、島民一般に申渡置《もうしわたしおき》候処《そうろうところ》、此程、本島南岸に、別小包の如き、樹脂封蝋附きの麦酒《ビール》瓶が三個漂着致し居るを発見、届出《とどけいで》申候《もうしそうろう》。右は何《いず》れも約半里、乃至《ないし》、一里余を隔てたる個所に、或は砂に埋もれ、又は岩の隙間に固く挟まれ居りたるものにて、よほど以前に漂着致したるものらしく、中味も、御高示の如き、官製|端書
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