正表現、邪表現
――悪魔式鼻の表現(六)
このような人々は悪魔に一生を捧げ尽した人と云うべきでありましょう。否、虚偽を以て真実を弄《もてあそ》びつくすのでありますから、この人等をこそ悪魔と呼ぶべきではありますまいか。何等社会に与《あず》かるところなくして、社会からあらゆるものを奪い取るからであります。
その中《うち》でも偉い奴になると栄燿《えいよう》栄華心に任せ、権威名望意に従わざる無く、上は神仏の眼を眩《くら》まし、下は人界の純美を穢《けが》し去って、傲然として人間の愚を冷笑しつつ土の中に消え込むからであります。これを羨みこれを慕う凡俗の群は、踵《くびす》を揃えてこれに学びこれに倣って、万古に尽きせぬ濁流を人類文化の裡面に逆流させるからであります。
それならそれでもいいじゃないかと功利派の人は云うかも知れませぬが、左様《さよう》ばかり行かぬから困るのであります。悪魔式の鼻の表現は矢張り悪魔式鼻の表現で、どうしても正しい鼻の表現とは違うのであります。如何に巧みに、如何に徹底的に装っていても、必ずはっきりと見分けのつくところがあるのであります。
鼻の表
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