事でも為《な》し遂げ得る能力を持っているぞ。あらゆる向上力と通力とを持っているぞ」
 こうして総てを眼下に見下《みくだ》して、自分だけ慢心してしまいました。たった一人で、俺は人間以上のものだと威張り腐って生きているようになりました。
 自覚心があり過ぎて、却《かえ》って無自覚と同じ事になってしまいました。ちっとでも他の生物より優越したところがあれば、直《すぐ》に満足をするようになりました。――スフィンクスが終極の目標を示さないために――
 そうしてすべてにこの自覚の誇りを宣伝すべく、全世界を飛びまわりはじめました。
 ――鼻ばかり高く突き出しながら――
 ――積極的無自覚の姿!
 ……………………………………………………
 ――おかめとヒョットコと天狗様――この三つはこうして人間の無自覚――スフィンクスの鼻の表現から生まれました。
 いずれも絶対の馬鹿の表現であります。
 無自覚に凝《こ》り固まった鼻の表現であります。
 永久にスフィンクスに呪われた姿であります。
 子供のオモチャにしかならぬ程度のものであります。
 こうなりたくないために――スフィンクスの呪いにかかりたくないために―
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