までしか証明しておりませぬ。人間からこんどは何になるかという事に就いては少しも説明を加えておりませぬ。
 ……スフィンクスもここまでしか暗示しておりませぬ。
「それから先は説明の限りに非ず」
 というのか、
「それから先はわからぬ」
 というのか、それとも又、
「それから先はおしまい」
 というのかわかりませぬ。鼻の表現を隠して知らん顔をしております。そうしてこれを永久の謎語として人類に暗示しつつ、沙漠の方を向いております。
 そこでおかめとヒョットコと天狗様とが飛び出して、馬鹿囃子を初めなければならぬ事になります。
 スフィンクスから欠き落とされた表現は、数千里を隔てた日本に吹き散って来ました。
 そうしてその中からヒョットコとおかめと天狗様が生れたのではないかと思われる位、スフィンクスと馬鹿囃子の関係は密接なものがあるのであります。
 まことに突飛《とっぴ》といって、これ位突飛な対照はありませぬ。しかし何しろ古今独歩の鼻の表現の中に現われた、最も偉大不可思議なる神様達の因縁事でありますから、とても人智の及ぶところではありませぬ。只謹んで神意を伺い奉るよりほか致し方ないのであります。
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