がないものでしょうか。
 人間というものは、そんなつまらない使命のために生れて来ているものでしょうか。
 これは一つの大きな謎語《なぞ》であります。

     万有進化と鼻
       ――運命と鼻の表現(五)

「謎語」という言葉はかの埃及《エジプト》の大怪像スフィンクスを呼び出す言葉であります。
 世界中の鼻の表現のうちで、この鼻の表現研究上の根本的疑問を解決する事が出来るものは、かの鼻の欠け落ちたスフィンクス像よりほかにありませぬ。
 スフィンクスは黙ってこの疑問を解決しております。
 ――頭は人間――身体《からだ》は獣《けもの》――と。
 スフィンクスが出現してから二千年以上|経《た》って後《のち》、人間はやっとこの暗示を解決する事が出来ました。そうしてこう云いました。
 ――獣から人間へ――
 この理屈を説き証したものが進化論と名付けられております。
 進化論の説くところに依りますと、この――獣から人間へ――という事は、天地間、ありとあらゆる森羅万象が進化しているという事実の一端を示した事になるのであります。
 ――無生物から生物へ――
 ――生物から植物と動物へ――
 
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