したところに依って最早充分に了解の事と信ぜられます。鼻の表現に現われた喜怒哀楽の基調が卑しいものであるか、高尚なものであるか、又は狡《ずる》いものであるか、正直なものであるかという事は、その底に表現されている、その人間の性格を見れば一目瞭然するのであります。
勇者の鼻は鉄壁をも貫く気合を見せております。智者の鼻は研磨《とぎす》まされた心鏡の光を現わしております。仁者の鼻は和《やわら》かい静かな気持を示しております。聖者の鼻からは上品な清らかな霊感を受《うけ》るのであります。
さもない凡人たちの鼻でも、つつましやかな人の鼻はしおらしく控えております。高ぶった奴の鼻はツンと済ましております。意久地なしの鼻は高くても低く見え、図々しい奴の鼻はヒシャゲていてもニューと上《う》わ反《ぞ》りになっているかの表現をしております。
これに対する相手の感じよう、又は世間の反響は、直《ただち》にその鼻の持ち主の運命となって来るのであります。即ち鼻はその持ち主の運命を支配していると云っても差し支えないのであります。
これを逆に観察致しますと、こうした運命に支配されて、或《あるい》は悲観し、或は楽観し
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