大臣。よく見よ、よく聞けよ。この蛇はこの国の大切な宝だ。誰でもこの蛇を持って来た者はこの国の女王になるのだ。美紅であろうが美留藻であろうが、そんな事は構わぬのだ。そうして女王に害をする者は、皆殺して終うのがこの蛇の役目だ。貴様とても許さぬぞ」
「何を……何をッ」
と紅木大臣は血走った眼で王を睨み付けて叫びました――
「それならば貴様も悪魔だ。本当の藍丸王ならば、そんな汚《けが》らわしいものをお持ちになる筈はない。そんな無慈悲な事をなさる筈はない。貴様も悪魔が化けたのであろう。女王も悪魔。貴様も悪魔。悪魔。悪魔。大悪魔だ。エエ知らなんだ。気付かなんだ。そうと知ったら早く退治ておく者を。最早容赦はならぬ。この紅木大臣が忠義の刃を受けて見よ」
と云うより早く王を眼がけて飛びかかろうとしましたが、この時王が右手を挙げるのを見るや否や、一時にドッと籠《こ》み入った多くの兵士は、一方は王の周囲《まわり》を取り囲んで仕舞い、一方は紅木大臣を取り巻いて身体《からだ》中隙間もなく鎗《やり》を突き付けて、動かれぬようにしてしまいました。そうしてその間にその他の者は気絶した女王と青眼先生を抱え上げて、急
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