の板の端を鍬の先でやっと引き起こしますと、その下は石の箱になっていて、中には余程大切な秘密のものでも入れてあるらしい、真鍮の帯で厳重に封をした、銅《あかがね》の壺が一ツ置いてありました。けれどもその周囲《まわり》には、太い頑固な銀杏の根っ子が、幾重にも厳重に取り巻いていて、中々鍬の一梃や二梃持って来ても掘り出す事は出来そうに見えませんでした。まるで銀杏の樹がこれは俺のものだ。誰にも渡す事は出来ないといって、確《しっか》り掴んでいるようです。青眼先生はこれを暫く見つめていましたが、やがてほっと一息安心をした様子で、
「先ず大丈夫。この塩梅《あんばい》ならば残りの四ツの悪魔はまだ、あの壺の中から逃れ出していない。今のところではあの鏡と鸚鵡と、それからまだ現われて来ない宝蛇の三ツだけは退治ればよいのだ。それにしても宝蛇はどこに隠れているのであろう。そしてどこから現われて来るのであろう。心配な事ではある。もしや事に依ったらば紅矢様を狙っているものは宝蛇ではあるまいか。もしそうならばいよいよ油断がならないぞ」
 と独り言を云いながら、じっと王宮の方を睨んでおりましたが、やがて又気が付いて、急いで
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