所に王様の前にお眼見得《めみえ》に出るとの事、念のため今一度、二人の顔を見ておきたいと、なおもよく気を付けて眼を配っていますと、この時|姉妹《あねいもうと》の二人は、兄の怪我を気遣いながら、両親の身体《からだ》の間から涙ぐんだ顔を出して、一心に様子を見ておりましたが、やがて美留藻が二人の顔を見付けて、繃帯の中からじっと眼をつけますと、二人は悲しさと恐ろしさに堪え切れないで、顔に手を当ててこの室《へや》を出てしまいました。
あとを見送った美留藻は、ほっと深い溜め息をしました。美紅姫の姿の美しくて気高い事。湖の底の鏡の中で見た自分の姿に、一分一厘違わぬばかりでなく、ずっと清らかに神々《こうごう》しく見えたからで御座います。又姉の濃紅姫の方は、流石《さすが》に紅矢が自慢するだけあって、本当に温柔《おとな》しく優しいには違いありませぬが、併しその美しさは迚《とて》も妹の美紅や、又は美留藻自身の美しさとは比べものにならないと思いましたから、これならば自分と一所に藍丸王様の御前にお目見得に出ても、決して負けるような事はないと安心をしました。
けれどもとにかくこの家の人々は、この間の夢の中で、美
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