んだように、誰にもわからない処で、一番恐ろしい……一番気持のいい方法で讐敵《かたき》を取らしてやる決心をして、現在、極秘密の中《うち》に、この家の地下室でグングン準備を進めているところだが………」
「……アラッ……ホント……」
「ホントウだとも。もっとも二……二三年ぐらいはかかる見込だがね。骨が折れるから……」
「嬉しい。楽しみにして待っていますわ」
「……と……ところがだ。この頃になったら、その上に……も……もう一つの別の目的が……オ……俺の心に巣喰い初めたのだ。そそ……その目的を押付けようとすればする程……その思いが募って……弥増《いやま》して来て……もうもう一日も我慢が……で……出来なくなって来たんだ」
「まあ。そのモウ一つの目的ってドンナ事?」
「オ……俺は……お前をホントウに俺のものにしたくなったのだ。ああ……」
轟氏は涙を滝のように流し、両手を顔に当てる。呉羽は本能的に飛退《とびの》いて、傍《そば》の椅子を小楯に取り冷やかに笑う。
「まあ。あなた馬鹿ね。あたし今でも貴方のものじゃないの。この上に妾にどうしろって仰言るの……」
「ウ……嘘でもいいから……オ……俺の妻になった
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