んなに立派に作りかえても、心が立派にならなければ何もならないと思ったから、わざと両親が恋しくなるようにこんな山の中をいつまでも引っぱりまわしたのだ。けれどもお前たちがそんな心になれば、いつでもお前達の身体《からだ》を立派な姿にしてやる。ちょうどいい。もう山奥は通り過ぎて人間の居る村に近付いている。あれ、あの音をきいて御覧」
と向うの方を指しました。
無茶先生が指した方を向いて豚吉とヒョロ子が耳を澄ましますと、一里か二里か、ズッと向うの方から、
「テンカンテンカンテンカンテンカン」
と鍛冶屋の音がきこえます。
「アッ、鍛冶屋の音が!」
「人間が居る」
と、二人は飛び上って喜びました。そうして無茶先生と一所に大急ぎでそちらへ近づきましたが、やがてとある崖の上へ出ますと、向うは一面の田圃《たんぼ》で、すぐ眼の下には川が青々と流れて、その流れに沿うた道ばたの一軒の家から、最前の鉄槌《かなづち》の音が引っきりなしにきこえて来ます。
「ヤア。ちょうどいい処にあの鍛冶屋はあるな。よしよし、あの家を借りてお前たちを立派な姿に作りかえてやろう。ちょっと待て。あの家《うち》の様子を見て来るから」
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