私自身を暗示された時の、私の悲しみ……いつまでも火星の女ではすまして行かれない、絶体絶命の私の立場……それでも気が弱くて、とても自殺なんか出来そうにない女のセツナイ悲しみが、男性の方にお解《わか》りになりましょうか。
 私はこの涯てしもない空虚の中に身を置く処がなくなったのです。
 私は只今のような両親の話を洩れ聞きました夕方、御飯を戴きますと間もなく、お友達と活動を見に行くと申しまして、お母様から買って頂いたまま、まだ一度も袖を通した事のない銘仙《めいせん》の、馬鹿馬鹿しいくらい派手な表現派模様の袷《あわせ》を着まして、妹たちに気付かれないようにソッと家を抜け出しました。学校の裏門の横の空地に在るポプラの樹の蔭から、コンクリートの塀を乗り越えて、校庭の便所の蔭に飛び降りました。それくらいのことは私に取って何でもなかったのです。
 私は、それから久し振りに今一度、あの廃屋《あばらや》の二階の籐椅子の上にユックリと袖を重ねて、あの懐かしい、淋しい空を眺めながら、静かな静かな虚無の思い出に立ち帰りましょうと思って、新しいフェルト草履《ぞうり》を気にしいしい、人影のない、星ばかり大きい校庭の
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