な眼で私を見ておりましたが、そんな気持も私は察し過ぎるくらい、察しておりました。
 忘れもしません。今年の三月十七日、私たちの卒業式のあった日の午後の事でした。私は式から帰って来て、制服を平常《ふだん》着に脱ぎかえております間に、茶の間で話しております両親の言葉を聞くともなく聞いて終《しま》いました。
「あれが片付かんと、妹二人を縁付ける訳に行かんからのう」
「そうですねえ。寧《いっそ》のこと病気にでもなって、死んででもくれればホットするのですが、あれ一人は一度も病気もしませんし……」
「ハハハ。生憎なもんじゃ。片輪なら片輪で又、ほかの分別もあるがのう」
 こんな会話を聞きました時の私の気持……世間的には随分、気の強い女になったつもりでおりながらも、内心ではまだ、ありとあらゆる愛情というものに、焦げ付くほどの執着を持っておりました私が、人間としての最後の愛からまでも見離されておることを、ハッキリと知りました時の私のたまらなさ……そうした会話の中に満ち満ちているある冷たい憎しみが、親としての愛情の変形に過ぎない事は十分にわかっていながらも、自殺するよりほかに行く道のない立場に置かれている
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