ョコヒョコお辞儀しながら、吃り吃り事情を話した。
「ヘイ。そんな訳なんで……どうもあすこの材木置場って奴はロクな処じゃねえんで……変な野郎や阿魔《あま》ッ子の巫戯《ふざけ》場所になっておりやすんで……ヘイ。ツイこの間も人殺しがオッ初《ぱじま》りかけた位なんで……ヘイ。だから今夜もアブネエと思うんでげす。片ッ方の野郎が、どーも尋常《ただ》の野郎じゃねえと思うんで……。娘ッ子の方は何も知らねえらしいんで……ヘイ。どうぞ……どうぞ助けてやっておくんなさい」
万平は進み寄って、警官の前の机に両手を支《つ》いて繰返し繰返しお辞儀をしては汗を拭った。
警官は三人ともニヤニヤと笑った。
若い上役らしい金筋の這入った一人が、煙草に火を点《つ》けて悠々と烟《けむり》を吐いた。
色の黒い人相の悪い一人はシンミリと鼻毛を抜き初めた。突然大きな声で……ファークション……と云った。
今一人はチャップリン髭を撫でながら、眼を細くして云った。
「……よしよし……わかったわかった……安心して帰れ」
万平は張合い抜けがしたように、三人の警官を、見まわした。シオシオと頸低《うなだ》れて出て行った。外はモウ真暗
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