つ》いて行きましたが、その中《うち》に又、世界中で私一人しか知らん奇妙な魚類《さかな》をば見付けました」
「フーン。そんな魚が居《お》るかな」
「居るか居らんか、私も呆れました。鯨の新婚旅行に跟随《つい》て行く馬鹿者が私一人じゃないのです。ちょうど大きな鮫《さめ》のような恰好で、鯨の若夫婦のアトになりサキになり、どうしても離れません。鯨の二匹が、私の船を恐れて水に潜《くぐ》っても、その青白い鮫の姿を目当てに行けば金輪際、見のがしません」
「ウーム。妙な奴が居るものだな」
「アトから古い漁師に聞いてみましたら、それは珍らしいものを見なさった。それはやっぱり鮫の仲間で、鯨の新婚旅行には附き物のマクラ魚《うお》チウ奴《さかな》で……」
「馬鹿。モウ止めろ。何を云い出すやら……」
「イイエ。決して嘘は云いまっせん。生命《いのち》がけで見て来たのですから。これからがモノスゴイので……私はそのマクラ魚を見た時に感心しました。流石《さすが》に鯨はケダモノだけあって何でも人間と同じこと……と思って、なおも一心になって跟《つ》いて行くうちに夜になると鯨の新夫婦が浪《なみ》の上で寝ます。青海原の星天井で山
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