にはどこかの病院の寝台の上に寝かされて、白い着物を着た人達に取り巻かれておりました。
お母様の肩を斬られたあとで、お母様と私とを一緒に突き刺されたお父様の刀は、私の肺を避けておりましたので助かったのだそうで御座います。けれどもお母様は心臓を貫かれておいでになりましたので、その場で絶息しておいでになったそうですが、それでも片手で、シッカリと私を抱き締めておいでになったということで御座います。
又、お父様は、そのあとで、袴《はかま》をお召しになって、納戸《なんど》のお仏壇の前で見事に切腹しておいでになったそうですが詳しい事は存じません。
あとあとの事は、何もかも柴忠さんが始末をして下すったそうですが、その時の事を誰が尋ねましても、柴忠さんは苦い顔をして返事をなさらぬとの事で御座いますから、私も気をつけまして、柴忠さんにだけは両親の事を尋ねないように致しておりました。
私はお乳の下の傷が治りましてから後《のち》、丸三年の間、博多大浜の芝忠さんのお宅にお厄介になっておりました。それから福岡の小学校へ通わして頂いたので御座いますが、その間の芝忠さん御夫婦の御親切というものは、それはそれ
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