礼ですがこの前の阿古屋の琴責めの時よりもズンと名人におなりになったようです。つきましては、お忙がしうも御座いましょうが今一つこの通りのを作って頂いて博多ッ子の氏神の櫛田神社にあの阿古屋の琴責めと並べて奉納致したいと思いますが如何でしょうか。実を申しますとこの前の阿古屋のお人形を家《うち》に置いておきますと、そのためのお客がうるさくてたまりませんので、娘の名前で櫛田神社に奉納したのですが、その当時はあれを見に来る人のために、お宮の賽銭《さいせん》が違ったと申す位で……イヤイヤ決してお世辞を云うのでは御座いませぬ。流石《さすが》に博多は諸芸の都だけあると皆《みんな》、感心をしておりましたので……そこへちょうど私が櫛田様へ御願《おがん》を立てて運動に取りかかりました株式の取引所が、このごろ鰯町《いわしまち》の私の地所に来る事になりましたので、その御願ほどきのために奥様の押絵を上げましたならば神様もきっとお喜びになる事と思って伺いました次第です。よい錦絵が御入用なら何程でも取り寄せて差上げます。この頃は汽車というものがありますから、東京へ電報を打てば十日足らずで着きますから」
というようなお
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