御座います。私はもう、このような秘密を胸に秘めております力がなくなりましたので御座います。唯一人、お兄様のお心にお縋《すが》りするよりほかに致し方がなくなったので御座います。
お兄様、もしお兄様が、ホントウに私のお兄様でおいでになりますならば私はお兄様のただ一人の妹として、生命《いのち》にかえてもお願い致します。
看護婦さんたちの、それとないお話しを聞きますと、お兄様は、その後大変にお工合がよろしいとの事で、それだけ承わりましただけでも自分の病気が薄らいで行くように心強う御座います。どうぞどうぞこの上にもよくおなり遊ばして、スッカリもとのようにおなり遊ばすまでは、私の事を出来るだけお忘れ下さいまして、お心静かに御養生なすって下さいませ。私はそればかりを心頼みに致しましてこの病院でお手当てを受けております。そうして生きておりますうちに、ただ一眼でも、お兄様のお丈夫なお姿を拝見したいとそればかりを神様にお祈り致しております。
私はもうこの世の中で、お兄様の事を考えるよりほかには何の楽しみもなくなっているので御座いますから……。
けれどももしかして、まだお兄様が御丈夫な御自由なお身体
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