きな木の根方に坐りますと、ありたけの涙を絞りながら泣いて泣いて泣きつづけました。
その時の私の心持を、どう致しましたならばお兄さまにお伝えする事が出来ましょう……。
もしこのような事があり得るものと致しましたならば、お兄様と私の身の上こそこの上もないよいお手本では御座いますまいか。
あなたのお父様と、私のお母様とは唯一眼で恋に落ちられました。そうしてお互いにその恋しい人の姿を、胸の底に深く秘められたまま、寝ても醒めてもお忘れになりませんでした……その思いがお兄様と私の姿にあらわれて、お二人の思いを遂げるためにこの世に生き残っているのでは御座いますまいか。
こう思い当りました時、私はこの小さな胸が押し潰されてしまって、眼の前が真っ暗になりました中に、二つの青白い鬼火がもつれ合って行くのがホンノリと見えたように思いました。
けれども又気を取り直して、今一度よくよくあと先を考えまわして見たので御座いましたが、考えれば考えるほど思い当りますことばかりが、あとからあとから出て来るので御座いました。
あなたのお父様に似ております私の姿を、朝に晩に見ておられました私のお母様はきっと、こう
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