一番浅ましい人間を集めて、世界中で一番憎らしい仕事をする者を亡ぼして終《しま》うことです。表面《うわべ》に正義とか人類のためとか云って、蔭では獣《けもの》や悪魔の真似をするウルスター・ゴンクールを生きながら殺して終《しま》うことでございます」
見よ……見よ……見よ……。
指が白くなる程固く握り詰めているウルスター・ゴンクール氏の拳《こぶし》は、自然自然と紫色に変って、微かにふるえ出して来た。ゴンクール氏は、それを尚も力を籠めて握り締めようとした。けれどもその拳も指先も最早《もう》すっかり痺れたらしく、次第に垂れ下って床に近付いて来る。
その代りに呼吸は眼に見えて荒くなって来た。その胸と肩は大波を打ち、その膝頭はわなわなと戦《おのの》き出した。憤怒の形相《ぎょうそう》は次第に恐怖の表情に変って、頬や顳※[#「※」は「需+頁」、第3水準1−94−6、329−12]《こめかみ》の筋肉はヒクヒクと引き釣り、その眼と口は大きく開いて凩《こがらし》のような音を立てて喘《あえ》ぎに喘いだ。
ゴンクール氏は今や正《まさ》しく、その鉄をも貫く連発の銃弾が、何の役にも立たない事を知ったのである。こ
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