に、嬢次様に欺されてこのような事をしていると思っておいでになるでしょう。私の生命《いのち》はただ嬢次様にだけ捧げているものと、お思いになっているでしょう。
 ……ですけど……お気の毒ですけど、それは違います。それは大変な貴方のお考え違いです。わたくしの生命《いのち》は、嬢次様を通じてもっともっと大きな事のために捧げているのでございます。わたくしから進んでその仕事をお引き受けした位でございます。
 ……その仕事とは何でございましょうか。
 ……日本のためにならぬJ・I・Cの秘密結社を打ち壊す事でございます。この仕事は、亜米利加を怖がっている日本政府のお役人たちには出来そうにない仕事です。又、他人の狭山様に後で迷惑がかかるような事になっても困るから自分一人で片付けるつもりだと嬢次様は云っておられましたが、わたくしは無理にお願いして、その中《うち》でも一番おしまいの仕事を受け持たして頂いたのでございます。それは妾のように、まだ貴方にお眼にかかった事のない、若い女でなければ出来にくい仕事でございましたから……。
 ……その仕事とは何でございましょうか……。
 ……貴方を殺す事です。……世界中で
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