云っておられました。人を殺すおつもりならばそんな事を云ったりしたりなさる筈でございませぬ」
「いいえ。貴女《あなた》は違います。ジョージは馬の舞踏会で馬を暴れ出させて、大勢の女を殺して、私を非道《ひど》い眼に会わせようとしたのです」
「……まあ……何故嬢次様は貴方にそんな非道《ひど》い事をなさるのでしょう。貴方はそのように嬢次様ばかりをお疑いになるのでしょう。貴方はそんなにまで嬢次様に怨まれるような事をなすったのですか」
 ストーン氏は答えなかった。いつの間にか、立ち場が反対になって、自分が審問される事になったのが腹立たしいらしく、口を固く閉じて、大きな眼でじっと女を睨み付けた。
 しかし女はひるまなかった。今までの通りに静かな、落ち着いた口調で言葉を続けた。
「……貴方も多分御存じでございましょう。大馬と小犬の芝居が済んで、楽屋へ這入りますと、あのハドルスキーとかいう怖い方が、道化役者の支那人を大層叱っておられました。……御存じでございましょう」
 ストーン氏は依然として女を睨み付けたまま、知っているとも、知っていないとも答えなかった。
「……御存じでなければお話致しましょう……。嬢
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