ているから、あまり長く会ってはいられない……」
「フム……貴女《あなた》はジョージを見たのはその時に初めてでしたか」
「ハイ、いいえ。新聞の広告や何かで、お名前だけは、よく存じておりましたけど……」
「……それでは貴女《あなた》が初めて会った時にジョージの名前を聞いたのですね」
「……………」
女は返事しなかった。ただ頭を左右に振っただけであった。[#底本では句点なし]
「フーム……それでは……貴女《あなた》は名前を知らないでジョージと会ったのですね」
「……………」
女は微かにうなずいた。
「そうして仲よくなったのですね」
「……………」
「わかりました。そうして初めて会ってからどこへ行きましたか」
「それも申上げる訳に参りませぬ」
「それから後《のち》会った処も……」
「ハイ……」
「……フム……それでは後から尋ねます。……それからジョージは貴女《あなた》の叔父様……ミスタ・サヤマの事知っておりましたか」
「初めは御存じなかったようです。ですけど私が叔父の名前を申しましたら吃驚《びっくり》なさいました」
「その時ジョージは何と云いました」
「嬢次様は大層喜んで、狭山の名前は亜米
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