早く済んだ。そのために馬の舞踏会の開始時間が繰り上げられて、ちょうど舞踏の真最中に馬が暴れ出す事になった。これは嬢次少年の過失か、私の聞き誤りか、それとも何かの手違いかと思っていたが、それはいずれも大勘違いの勘五郎であった。私の第六感の暗示を基礎として判断して行くと、少年はカルロ・ナイン嬢と、女優髷の女を一味とする、J・I・Cの一団と十分の協議を遂げて、私に「四十分|乃至《ないし》二十分」の時間を告げたのであった。そうして私をあの曲馬場に引っぱり出して、われと自分の手で作り出させた危機一髪の情景に、われと自分を狂い出させて、そのドサクサに紛れて私を、兇猛なハドルスキーの手にかけて始末させようとした。……けれども、その第一の手段が失敗に終ったと見るや否や、第二の手段として、あの女優髷の女に私を殺させるべく、紫のハンカチを手渡しさせた……二年前の志村のぶ子と同じ役目を受け持たせた……という計画の辻褄《つじつま》がすっかり合って来るではないか。
すべては虚構《うそ》であった。一切は芝居であった。そうして全部は私の敵に外ならなかった。
彼等……紫のハンカチを相印《シムボル》とする、J・I・
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