宣告を受けるのだぞ……。一人の美しい女から紫のハンカチを貰うのだぞ……。
 ……と明白に予言したではないか。
 何という不可思議な作用であろう。
 何という適切な暗示であろう。
 もし私がこの時に、かような偉大な力の存在を知らないで、唯こうした事実だけを気付いたならば、恐らく奇蹟としか思わなかったであろう。又、もし私が信仰家であって、これだけの暗示を受けたならば、直ぐに上天の啓示と信じて、掌《て》を合わせて謝恩の祈祷を捧げたであろう。
 しかし、これは上天の啓示でも何でもない。人間の持っている偉大な……忘れられた能力の作用である。
 ……と……こう気が付くと同時に、私は椅子を蹴って立ち上ったのであった。そうしてその一瞬間に、二年|前《ぜん》から引き続いて来たこの奇怪なJ・I・C事件に対する私の判断を、どん底から引っくり返してしまったのであった。
 ……私はすっかり欺されていた。ただ私の「第六感」だけが欺されなかった……
 と気付いたので……。
 しかも、その私がその「第六感」の暗示を基礎にして、ドンデン返しに建て直してみた事件の真相の如何に恐ろしかった事よ……。
 見よ。
 ――事件の
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