に伝わったとしたらどうであろう。
否々《いやいや》。彼等はもうとっくの昔に私のこうした決心を感付いている筈である。そうして私を第一番に片付けてから、第二第三の仕事にかかる予定にしていなければならぬ筈である。そうして彼等はこの目的の下に、生命《いのち》知らずの無頼漢をすぐり集めて、曲馬団を組織して捲土重来《けんどちょうらい》したものに違いないのである。これは決して私の自惚《うぬぼ》れや何かで云うのではない。
然るに私は最前嬢次少年に会ってから後《のち》というものはこんな考えから全然遠ざかっていた。自分の一身に関する危険なぞは変にも考えずに、ただ漫然と様子を見る位の考えで見物に来ていた。そうして嬢次少年の仕事を手伝うこと以外に何等の緊張も、危険も感じないまま双眼鏡をひねくりまわしているに過ぎなかった。そうして思いもかけぬ大失敗をして徹底的にたたき付けられたまま曲馬場を出て来たのであった。
その時の私の頭の中は、自分自身がどこに居るのか、判断出来ないくらい混乱していた。常識とか理智とかいうものは跡型《あとかた》もなくノック・アウトされた空《から》っぽ同然のあたまを肩の上に乗せて、ふらふ
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