…なぞと色々心配しているうちにとうとうほんとうに眠ってしまったらしい……。
……それはおよそ二時間足らずの睡眠であったらしい。けれども疲れた頭と身体《からだ》を休めて、新しい元気を回復するには十分であった。そのうちにふっと気が付いてみると眼の前に十二三の見習いらしいボーイが立っている。そうして肩を怒らしながら紫色のハンカチで包んだ四角いハガキ大のものを私の鼻の先に突き付けている。
私は無言のまま何気なくその包みを受取った。結び目を解いて中味を検《あらた》めて見ると、何でもない古新聞紙で、ただ紫のハンカチを包みらしく見せかけるために包んだもののように見えた。
私はそう気付くと同時にハッとした。そうして眼の前に空しく並んだ四つの皿をジイーと睨み付けた。
その時にボーイは横柄《おうへい》な態度で云った。
「さっき表を通った方《かた》が、貴方《あなた》に渡してくれと云ったんです。……ですけど、ちょうどお寝《やす》みでしたから待っていたんです」
その言葉が終るか終らないかに私は椅子を蹴って立ち上った。ボーイはその剣幕に驚いて一寸|後退《あとじさ》りをしたが、魘《おび》えた眼付きをして私
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