幕間《まくあい》二三分乃至四五分の後に始まるであろう、馬の舞踏会である。戦慄すべき馬の舞踏……。
……瞬間……おそるべき幻影がまざまざと私の眼の前に描き出された。
……場内に数十頭の裸馬が整列する……。
……その間に軽羅《うすもの》を纏うた数十名の美人が立ち交《こも》って、愉快な音楽に合わせて一斉に舞踏を初める……。
……けれどもそれは、まだ十分と経たない中《うち》に見る見る悽惨を極めた修羅場と化する……。
……数十頭の馬が突然棹立ちになって狂いはじめる……。
……噛み付く……。
……蹴飛ばす……。
……飛びかかる……。
……抱き倒す……。
……蹂《ふ》み躙《にじ》る……。
……数十名の美人は悲鳴を揚げて逃げ惑いつつ片端から狂馬の蹄鉄にかかって行く……肉が裂ける……骨が砕ける……血が飛沫《しぶ》く……咆哮……怒号……絶叫……苦悶……叫喚……大叫喚……。
……大虐殺の見世物……。
……活地獄《いきじごく》のオーケストラ……。
……私の罪……。
……肝魂《きもたま》が消え失せるとはこの時の私の事であったろう。頭の中がグワーンと鳴った。眼の前に灰色の靄《もや》が
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