「さようさよう。あの次に小さいのは日本の対州馬でしょうよ。ハハハハ……しかし、よくこんなに各地の純粋種ばかり集めて乗り馴らしたものですなあ。余程金を費《つか》ったでしょう」
「人間と馬と対《つい》になっているんですからね」
「そうそう。全く感心ですな。この次の美人大曲馬にはどんなのが出て来るか……」
「あっ……美人大曲馬は一番先に済んでしまいましたよ。昨日《きのう》もそうでしたが……」
「ははあ。プログラムの都合ですかな。道理で時間がすこしおかしいと思いました。……それではこの次は『大馬と小犬』が始まる訳ですな」
「そうです。まだ時間がありますが」
「面白いですかな」
「ええ『大馬と小犬』も面白いですがその次の馬上の奇術っていうのが素敵なんです。何でも米国に帰化した伊太利《イタリー》の少年だという事ですが、曲馬と手品を一緒にやるんです。見物に頼んで自分の身体《からだ》を馬の上に縛らしておいて、自由自在に乗りこなす上に、七尺もあるハードルを飛び越したり、火の輪を潜り抜けたりする中《うち》に綺麗に縄を脱けてしまうんです。それから長い長い万国旗を馬の耳から引き出したり、帽子の中から火を燃や
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