油、軽油を動力とする時代となって来たのであります。
そのような時代のまっただ中に、地質の関係上、太古以来石油に恵まれておりませぬ所謂《いわゆる》「乾燥島《ドライアイランド》」の日本が、最近の対外政策に関して、どれだけの苦悶を続けて来ました事か。越後の油田は涸渇に瀕し、数百万の生霊の代償として露西亜から貰った樺太《かばふと》の油田が思わしからず、台湾の新油田も多寡《たか》の知れたものである事が判明している今日《こんにち》、石油の不足から来る覿面《てきめん》な戦闘力の不足のために、世界無比の軍隊を有する日本民族が、どれだけの軟弱、退嬰《たいえい》外交を続けて来ました事か。
最も手近い例としては、吾々移民が、日本のこの弱点を知っている米国政府のために、如何に虐殺的、もしくは半虐殺的の圧迫、侮辱の忍従を本国政府から強いられましたことか。
日本が欧洲大戦に本気に参加せず、東部戦線に於ける露国の敗退を救うべく、英国から再三の慫慂《しょうよう》を受けたのにも応じなかったのは、偏《ひと》えに背後の米国を警戒して不足勝ちな石油を蓄積したいためと伝えられておりますが、このために日本民族の実力が欧米各
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