ッカリ本誌のお提灯になってしまった――イヤドウモ――。
しかも、形容詞ばかりで、内容も焦点も、定義も、範囲も、依然としてハッキリしていないのだから人を馬鹿にしているでしょう。
実際こうした趣味は天地|開闢《かいびゃく》以来ある趣味なのでしょうか。それとも飛行機と一所《いっしょ》に生まれた趣味なのでしょうか。
ソモソモ七面鳥は自身に猟奇趣味を理解しつつ、あんなに顔色を変化して行くのでしょうか――。
モボは本当に時代遅れを自覚しつつ銀座街頭から消え失せて行くのでしょうか――という論理が又成り立つかどうか――。
考えているうちに頭がわるくなった。
とにもかくにも近来益々この趣味が流行して来ました――いろんな新しい主義や傾向と一所に――。けれどもそんな趣味を流行《はや》らせている人々は本当にこんな趣味を理解しながら書いたり読んだりして居られるのでしょうか。新米の私にはサッパリ見当が付きませんが――。
万一私と同様に、わからないまま夢中になって御座るのでしたら――アハハハハハ――まさかソンナ事もありますまいけれど――ナンセンス――ナンセンス――。
パアパアパアパアパアパア――
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