足でも、生命《いのち》でも何でも差上げます。……この研究を引継げと仰言《おっしゃ》れば……一生涯かかっても……一切の罪を引き受けても……」
 私はタマラなくなって両手で顔を蔽《おお》うた。その指の間を涙が迸《ほとばし》り流れた。
「……コ……コンナ非道い……冷血な罪悪……ああ……ああ……僕はモウ頭が……」
 私は大|卓子《テーブル》の上に崩折《くずお》れ伏した。声を立てまいとしても押え切れない声が両手の下から咽《むせ》び出た。
「……ス……済みませんが……僕に……みんなの……か……讐《かたき》を取らして下さい……」
「……………」
「……この研究を……シ……神聖にして下さい……」
「……………」
「……………」
 ……コツコツ……コツコツ……と入口の扉《ドア》をたたく音……。
 ……私はハッと気が付いた。慌ててポケットからハンカチを取り出して、涙に濡れた顔を拭いまわしながら、正木博士の顔を見上げると……ギョッとして息が詰った……。
 それは昂奮の絶頂まで昇り詰《つめ》ていた私の感情を、一時に縮み込ませてしまった程恐ろしい、鬼のような形相であった。……瀬戸物のように血の気を喪《うしな》っ
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