、直接に君自身と関係を持った話であることが、殆ど電燈《でんき》のスイッチを拈《ひね》るのと同様な鮮やかさで、一時に判明して来るであろう。……何故《なにゆえ》かと云うと、君は彼《か》の令嬢との新婚生活に入ると同時に、現在、君の頭の中に鬱積、緊張して、そうした自家障害を与えているその生理的の原因から解放される事になるのだから……今まで、どうしても思い出し得なかった過去の記憶の全部を、一時にズラリと思い出すにきまっているのだから。同時に現在、君が疑い、迷い、苦しんでいる事件の真相を裏の裏まで看破し、思い出して……成る程……そうであったかと長大息するに違いないのだから……そうして物質的にも精神的にも恵まれた、真実に幸福な家庭生活に入ると同時に、他人に頼まれる迄もなく、君自身の理智に立脚した公平な立場から観察した、この事件の真実の記録を学界に発表して、吾輩と若林の苦心努力の実情を正義の審判にかけると同時に、その発表によって、現代の脱線的な邪悪文化に一大転期を劃さずにはおられないであろうことを、吾輩は今一度、吾輩の専門の名にかけて……君とモヨ子さんとの名誉と幸福のために……」
「……いけませんッ…
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