のものとは思われぬ程の美しさにまで輝やきあらわれて来た。それに連《つ》れて頬の色が俄《にわ》かに、耳元までもパッと燃え立ったと思ううちに、
「……アッ……お兄さまッ……どうしてここにッ……」
 と魂消《たまぎ》るように叫びつつ身を起した。素跣足《すはだし》のまま寝台から飛び降りて、裾《すそ》もあらわに私に縋《すが》り付こうとした。
 私は仰天した。無意識の裡《うち》にその手を払い除《の》けた。思わず二三歩飛び退《の》いて睨《にら》み付けた……スッカリ面喰ってしまいながら……。
 ……すると、その瞬間に少女も立ち止まった。両手をさし伸べたまま電気に打たれたように固くなった。顔色が真青になって、唇の色まで無くなった……と見るうちに、眼を一パイに見開いて、私の顔を凝視《みつ》めながら、よろよろと、うしろに退《さが》って寝台の上に両手を支《つ》いた。唇をワナワナと震わせて、なおも一心に私の顔を見た。
 それから少女は若林博士の顔と、部屋の中の様子を恐る恐る見廻わしていた……が、そのうちに、その両方の眼にキラキラと光る涙を一パイに溜めた。グッタリとうなだれて、石の床の上に崩折《くずお》れ座りつつ
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