いたMかもしくは失恋の怨《うら》みを呑んでいるであろうWのどちらか、一人に相違ない事を、余りにも深く確信していた。……同時にその二人が揃いも揃って、繊弱《かよわ》い女の手で刃向《はむか》うべく、余りに恐ろしい相手である事を、知って知り抜きながらも必死と吾児を抱き締めつつ、慄《ふる》え戦《おのの》いていた筈である。
……だから彼女、T子の想像の奥の奥に、よもやと思いつつも戦《おのの》き描かれていたであろう絵巻物の魔力の実地試験が、万に一つもIに対して行われたとなれば、T子はすぐに二ツの名前を思い出すにきまっている。WかMか……。
……だから……T子の死は、この空前の学術実験の準備として是非とも必要な第一条件……」
「……あアッ……先生ッ……待って下さいッ……もう止して下さい……ソ……そんな怖ろしい……事が……」
私は思わず悲鳴をあげた。ピッタリと大|卓子《テーブル》の上に突伏《つっぷ》した。頭の中は煮えるように……額は氷のように……掌《てのひら》は火のように感じつつ、喘《あえ》ぎに喘ぎかかる息を殺した。
「……何だ……何を云うのだ……そっちから突込んで質問して来たから説明しているの
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