《おろ》した。又しても何が何やらわからなくなったまま……。
「……どうも、そう一々泡を喰っちゃ困るぜ。……だから最初っから注意しておいたじゃないか。この事件は、よほど頭を緊《しっか》りさせて研究しないと、途中で飛んでもない錯覚に陥る虞《おそ》れがあると云って警告しといたじゃないか……吾輩は姪の浜、浦山の祭神、鶉《うず》の尾《お》権現《ごんげん》の御前《おんまえ》にかけて誓う。君はそんな浅薄な意味で、この事件に関係しているのじゃない。もっと重大深刻な意味で……」
「……でも……でも……それ以上に重大深刻な意味で関係が……」
「……出来ないと云うんだろう。ところが出来るから奇妙なんだ。クドイようだがモウ一度断っておく。吾々が住んでいる、この世界は現代の所謂《いわゆる》、唯物科学の原則ばかりで支配されているんじゃないんだよ。同時に唯心科学……即ち精神科学の原則によって何から何まで支配されている事を肝に銘じて記憶していないと、この事件の真相はわからないよ。……早い話が純客観式唯物科学の眼で見るとこの世界は長さと、幅と、高さの三つを掛け合わせた三次元の世界に過ぎないんだが、純主観式精神科学の感ず
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