。自分の心理を解剖されているような気がしたので……。
「こいつを具体的に説明するとこうであったろうと思う。すなわち……李太白が玄宗皇帝の淫蕩《いんとう》と、栄耀栄華《えいようえいが》に媚《こ》び諛《へつら》った詩を作って、御寵愛を蒙《こうむ》ったお蔭で、天下の大詩人となったのを見た呉青秀は、よろしい。それならば俺は一つその正反対の行き方でもって名を丹青《たんせい》、竹帛《ちくはく》に垂れてやろう。自分の筆力で前代未聞の怪画を描いて、天下後世を震駭《しんがい》させてくれようと思った……これがこうした若い、天才肌な芸術家にあり勝ちの、最も高潮した名誉慾だ。又、呉青秀自身の男ぶりと、天才に相応した名声に惚れ込んで、ゾッコン首《くび》っ丈《たけ》になっている新夫人から、身も心も捧げられた、新婚早々の幸福さに有頂天になった呉青秀は、僅か数箇月の間にあらゆる愛し方と、愛され方を味《あじわ》いつくしてしまった。この上はその美しい愛人を、極度に残忍な方法で虐待するかどうかしなければ、この上の感激は求められられられられないといった程度にまで高潮した慾求を、夜毎日毎《よごとひごと》に感じ初めて来た。これが
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