》のまま民衆にタタキ付けたのが基督《キリスト》で、オブラートに包んで投《ほう》り出したのが孔子で、おいしいお菓子に仕込んで、デコデコと飾り立てて、虫下しみたように鐘や太鼓で囃《はや》し立てて売り出したのがお釈迦様という事になるんだ。そこで、そんな連中の専売特許のウマイところだけを失敬して『心理遺伝』なぞいう当世向きの名前で大々的に売り出して百パーセントの剰余価値を貪《むさ》ぼろうと企てているのが、ここにいる吾輩という事になるがね……ハッハッハッ……まあ、そんな事はドウでもいいとして、勝空という坊さんの名前はどうやら天台宗らしいから、多分法華経あたりを読んでこの理屈を悟ったんだろう……。
この絵巻物を見るとタッタ一眼で過去、現在、未来の三世の因果因縁がナアール程とわかった。呉青秀《ごせいしゅう》の子孫がこれを見ると同時に遺伝心理を刺戟されて、先祖の真似を初めるのは無理もない。ケンノンケンノン……不憫《ふびん》至極な事と思ったのであろう。世界の一番おしまいに出て来るという弥勒菩薩《みろくぼさつ》の像を刻《きざ》んで、その中に封じ込めて『男見るべからず』と固く禁制しておいた。……ところが見
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