の大事変勃発以来、厳重に閉鎖されているんだからね……」
「……………」
「……こうなんだ……いいかい。これは、すこし専門的な説明だがね。君の意識の中で、現在眼を醒まして活躍しているのは現実に対する感覚機能が大部分なんだ。すなわち現在の事実を見る、聞く、嗅ぐ、味《あじわ》う、感ずる。そいつを考える。記憶する……といったような作用だけで、過去に関する記憶を、ああだった、こうだったと呼び返す部分は、まだ夢を見得る程度にしか眼を醒していないのだ。……そこで君がこの窓から、あの場内の光景を覗くと、その一|刹那《せつな》に、昨日まであそこに、あんな風をして突立っていた君の記憶が、夢の程度にまで甦《よみがえ》って、今見ている通りのハッキリした幻影となって君の意識に浮き出している。そうしてそこに突立っている君自身の現在の意識と重なり合って見えているのだ。つまり、窓の外に立っている君は、君の記憶の中から夢となって現われて来た、君自身の過去の客観的映像で、硝子《ガラス》窓の中にいる君は現在の君の主観的意識なのだ。夢と現実とを一緒に見ているのだよ君は……今……」
私はもう一度シッカリと眼をこすった。大きく
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