らしいんだ。今朝から連続的にこころみて来た彼奴の実験が、一々見込み外れになってしまって、君自身に何等の反応を現わさなかったばかりでなく、彼奴お得意の訊問法のトリックが、コンナ風にテッペンから尻を割っているところを見ると、そんなに恐怖《おっかな》がる程の事もないようだね。……流石《さすが》の古今無双の法医学者先生も、相手が吾輩というので緊張し過ぎたせいか、今朝から少々慌てて御座るようだ。或はこれこそ先生の『空前絶後の失敗』かも知れないがね。ハッハッ……」
「でも……でも……でも……」
「まだ『でも』が残っているのかい……何だい……その『でも』は……」
「……でも……その実験は先生がなさるのが当り前……」
「そうさ。無論、君の過去を思い出させる実験は吾輩がやるのが当然さ。だから彼奴《きゃつ》はこんなトリックを用いて、この実験の結果を独り占めにしようとしたんだ……彼奴は出来る限り吾輩を見殺しにしようとしたんだよ」
「エッ……ソ……そんな無茶な事が……」
「チャント実行されているから面白いだろう。第一吾輩が、その手を喰わずに、こうやって生き長らえて、ここへ出て来て喋舌《しゃべ》っているのが何よ
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