の上に組んで反《そ》りかえっている……骸骨ソックリの小男……それが私と視線を合わせると、悠々と葉巻を右手に取りながら、真白な歯を一パイに剥《む》き出してクワッと笑った。
 私は飛び上った。
「ワッ……正木先生……」
「アハハハハハ……驚いたか……ハハハハハハハ。イヤ豪《えら》い豪い。吾輩の名前をチャンと記憶していたのは豪い。おまけに幽霊と間違えて逃げ出さないところはイヨイヨ感心だ。ハッハッハッハッハッ。アッハッハッハッ」
 私はその笑い声の反響に取り捲かれているうちに全身が、おのずと痺《しび》れて行くように感じた。右手に掴んでいた正木博士の遺言書をパタリと大|卓子《テーブル》の上に取り落した……と同時に、それを書いた正木博士の出現によって、今朝《けさ》からの出来事の一切合財がキレイに否定されてしまったような気がして、急に全身の力が抜けて来て、又も、元の廻転椅子の中へ、ドタンと尻餅を突いてしまった。幾度も幾度も唾液《つば》を呑みながら……。
 そうした私の態度を見ると、正木博士はいよいよ愉快そうに、椅子の上に反《そ》りかえって哄笑した。
「アッハッハッハッハッ。ヒドク吃驚《びっくり》して
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