附近を徘徊《はいかい》せしようの記憶無し。又同人等の疫病に関しては同所の魚類等は常に新鮮なるを以て、食物中毒等の原因は考慮し得ず。結局病原不明に帰せりと。
[#ここで字下げ終わり]
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◇ 絵巻物写真版挿入の事
◇ 右絵巻物由来記記入の事
◇ 右第二回の発作全般に亘る、観察研究事項記入の事
× × ×
ハッハッハッハッ……。
……どうです諸君。面喰いましたかね。
これが吾輩の遺言書の中の最重要なる一部分なぞいうことは、もういい加減忘れて読んでいたでしょう。悲劇あり。喜劇あり。チャンバラあり。デカモノあり。これに加うるに有難屋《ありがたや》の宣伝もありという塩梅《あんばい》で、ずいぶん共にオカカの感心、オビビのビックリに価する、奇妙|奇天烈《きてれつ》な記録の内容でげしょう。殊にその心理遺伝のあらわれ方の奇抜なことは、真に、お負けなしの古今無類で、現代の所謂《いわゆる》常識や科学知識の如何なる虎の巻を引《ひっ》くり返して来ても到底歯が立ちそうにない。流石《さすが》の名
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